会社を作るに当たって決算月をいつにするか?
個人事業のときは12月と決まっていますが、
法人にすると決算月は自由です。
何月でもいいという人もいますが、
決め方にも考え方があります。
この決算月の決め方によって、納税額が変わったり、
業績や資金繰りにも大きく影響したりすることもあるので、
しっかりした考えのもとに決算月・決算期を決める必要があります。
今回の会社設立お悩み相談は、個人でアパレル業をしていて、
会社を作る事になった社長からの
決算月の決め方についてのご質問です。
【社長⇒会社設立を決めたアパレル業の社長】
会社設立お悩み相談のコーナーでは、
会社設立の際のよくあるご質問・疑問点などを事例形式で紹介しています。
3月で考えていたけど、うちはグループ会社でもないしな・・・
何月にしたらいいかな?
統計によると、決算月で一番多い月は3月で、全体の約20%の割合になります。
これは学校や公的機関などが年度(4月~3月まで)を利用している部分から
なんとなく3月としている場合も多いようです。
ただ、3月にこだわる必要は全くありません。
決算月は何月でも自由に決めることができます。
資金繰り(お金のやりくり)の面からいくと、売上がいい月の前を決算月にしておくことで、
その売上のいい月の利益に対する納税(利益に対して税金が発生します)
が約1年後となり、資金をその間プールする事ができます。
また、
決算月は月末ではなく、20日決算にする事もできます。
売上や仕入れの締日が20日という場合ですと、
20日決算をお勧めします。
こうすることで、
毎月の正確な業績を早く知ることができます。
例えば、5月31日が決算日で、
売上の締め日が5月20日という会社の場合、
5月21日~31日分の売上の請求書を作る時期が
翌月の締日の6月20日以降となり、それを基に計算すると
業績が出るのが遅くなってしまうからです。
締日と決算月があっているとそういった計算は必要ありません。
主要な得意先・仕入れ先の締日が何日なのか?
というところは頭に入れておく必要があります。
もちろん、翌月の20日まで待たずに、帳端分(21日~31日分)を
その都度計算したり、決算月だけ帳端の計算をするということは可能ですが、
手間がかかります。
締め日を頭に入れて決算日を決めるという事は重要です。
あと、
繁忙期がいつになるか?
という事も考えておく必要があります。
決算月から2か月後が申告期限ですので、
その期間は、資料をまとめたり税理士との打ち合わせなどで、
多少の時間は必要になってきます。
一度決めるとなかなか変えにくい決算月ですが、
決算月は変更することも可能ですので、見直す事も必要です。
既存の法人についても、決算月が適正かどうか?
という視点は必要です。
一度、自社の決算月を見直してみてもいいのではないでしょうか。